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放浪の達人ブログ

日雇いバイト

    【日雇いバイト】

今年の夏はイレギュラーな日雇いバイトを数日間やった。
ある日、親友から「仕事を手伝ってくれ」という電話が入った。
報酬はなかなかのものである。

その親友は「空間プロデューサー」をしているデザイナーであり
まぁ業界的にいえばオサレな世界で独立している。
今回は化学工場の排水管の場所の調査ということだった。
なんでも工場敷地内を流れている排水路に沿って歩きながら
水がどっちに流れているかを確認するという仕事らしいのだが、
それほど楽な仕事なのにそんなに日当が貰えるの?という俺の読みは甘かった。

俺に割り当てられた作業は、鉄製の重い側溝のフタやマンホールなどを
ただひたすらバールで「どりゃああ~っ!」と持ち上げること。
持ち上げると排水管が現れるので、それを友人が測定。
「どりゃああ~!」「ぬおおお~っ!」「ぐわああ~!」と
朝から夕方まで延々とその繰り返しである。そりゃ報酬いいわな。(笑)
その仕事は数日間で完了。それが1つ目の日雇い仕事であった。
尚、化学工場の排水出口の用水路に巨大なカメが異常繁殖していたことは秘密である。

その約1ヶ月後、今度はスリランカ人の友人から電話がかかってきた。
彼とは自動車部品関連の仕事仲間である。
「サイトーさん、明日ヒマ?」「おお、もちろんヒマだとも」
「解体の仕事あるけど一緒に行く?」「行く。」
「バイト代¥11,000だけど」「いいよ。」

この時点でどんな車を解体するのだろう?と思っていた。
しかし実際に現場に着いてみると巨大な工場跡地の解体作業であった。
そして先回の化学工場の仕事よりも過酷な労働が待ち受けていた。
解体現場で働いているのはスリランカ人ばかり。
俺は日本人の現場監督から「兄ちゃんはどこの国の人だ?」と訊かれたし。
作業内容は重機が壊していく工場の建物の外壁を分別して
各種を大きなゴミ袋やダンプカーの荷台に放り投げるという仕事だ。

防音シートで囲まれた現場は無風で直射日光は容赦なく照りつける。
外壁を更に細かく砕くために延々とバールを振り下ろし続けた仕事であった。
報酬と引き換えに俺の身体は酷い筋肉痛に見舞われ、
丸々2日間はスターウォーズのロボットのような歩き方をしていたのだった。
便座に座るだけでも悲痛な呻き声をあげるほどだったのである。(笑)
いくら友人からの依頼とはいえ、作業内容は事前にしっかり聞くべきだわな。


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